ヤドリギ
標高1000mほどの所で、車を停めて冬のカラマツ林を楽しんでいると、カラマツの中に何本か混じっているブナの木が目にとまった。
樹高は25mほどもあろうか、なかなかの大木である。
この標高では、もうすっかり葉を落としているのに、このブナだけが緑色にけぶるように見えたのだ。
目を凝らしてみると、何十ものヤドリギが着生していることがわかった。
立っていたとことから目視できる範囲だけでも30ほどはある。
これほど多くのヤドリギが着いた樹木を見るのは初めてのことだった。
ヤドリギは、ヤドリギ科の常緑小低木で、“ホヨ”“ホヤ”“トビヅタ”などの別名を持つ。
早春に熟す実は、粘着質の物質を含んでいるのだが、この実をヒレンジャクやキレンジャクなどの野鳥が好んで食べる。
鳥の体内を通過した実は更に粘着性を増し、鳥が糞をすると1m余りにも連なり樹木に粘り着くこととなる。
樹木に粘り着いた実は、根を伸ばし始め、樹木の枝や幹に根を食い込ませていく。
樹木に寄生しつつ、自らも光合成を行うので“半寄生植物”とも呼ばれている。
ヤドリギを漢字で書くと“寄生木”または“宿木”。
まさに生態を表した名である。
ヤドリギは、一年に一節ずつ成長し、最大で1mほどの球体を成すが、一節はせいぜい3~5cm程なので、1mにも育つには数十年を要する。
川場村では、なぜか標高の高いところで多く見ることができる植物である。
20091120 ヤドリギ(川場スキー場付近)
NIKON D90 70-300
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