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2009年12月の26件の記事

2009年12月31日 (木)

“こどもやまづくり教室”二日目午後

20091231hutukamegogo

“こどもやまづくり教室”二日目の午後。

お昼を食べた後は、雪合戦をしたりカモシカの交差点を見てびっくりしたり、好天にも恵まれてゆっくりと過ごした。

午後4時をまわり、辺りも薄暗くなって底冷えがするようになってきたので、室内に移動した。

あらかじめ用意してあった竹を使ってカンテラづくりに挑戦。
竹にノコギリで切れ目を入れ、木槌で叩いて窓を開け、中に短いろうそくを入れれば完成だ。
各自が思い思いの趣向を凝らし、素敵なカンテラが完成した。

夕食をとったあとは、真っ暗な夜の雪道をナイトハイクに出かけた。
灯りは、自作の竹製カンテラのみ。
懐中電灯の刺すような光と違って、ほんのりほんわか温かいカンテラの光がとても幻想的だった。

20091227 二日目の午後(友好の森)

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“こどもやまづくり教室”二日目午前

20091231hutukame

“こどもやまづくり教室”の二日目の午前中。

並行開催している中高校生達の“川場まるごと滞在記”のメンバーは、昨晩に引き続き、カズマサさんの指導のもとで炭焼きの本格体験を実行中。
既に焼き上がっている炭を窯から出す“窯出し”からのスタートだ。
炭や灰の粉塵で鼻の穴の奥まで真っ黒になりながら、名人の焼いた炭を丁寧に窯から取り出した。

“こどもやまづくり教室”の小学生たちは、カズマサさんと“まるごと”のメンバーのお手伝い。
炭を焼くために使う薪や、窯の中に立てかけた炭材の上に載せて窯内の空間をふさぐ“上げ木”用の短尺材をつくった。

薪割り用の大きな斧を振るい、一人一人、全員が薪割りに挑戦した。
薪割りは、ほとんどの参加者にとって初めての体験だったのだが、全員が自分で薪を割るコツを習得できたようだ。

20091227 薪割り(友好の森)
NIKON D90 70-300

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2009年12月30日 (水)

“こどもやまづくり教室”初日の活動

20091230shoniti 

カルタとりで打ち解けた後は、森林(やま)の散策へ出発。

中身は後でのお楽しみということで、仕掛だけ見せた自動撮影装置で記念写真を撮ってから、山の神に詣で、雪上に残されたカモシカやノウサギ、テンなどの足跡から行動を推理したりと、冬の森林(やま)をのんびり楽しんだ。

山の神の前では、昔の人が森林に入る時には必ず柏手を打って拝んだという話をしながら、そうした行為はもしかしたら野生動物たちとの不幸な接近遭遇を回避する智恵だったかもしれないことを子ども達に話して聞かせた。

雪上の足跡を前にしては、姿を見ることは滅多にない野生動物も、確かに息づいていることを足跡から知り、様々な行動を推理することの楽しさを伝えたつもりだ。

夜には、林業や炭焼きの名人、カズマサさんを講師に迎え、昔の子ども達の遊びや仕事の手伝い、森林との関わりなどについて話をしていただいた。
夕食後の眠くなる時間であったにも関わらず、子ども達の目は爛々。
食い入るようにして話をうかがい、活発に質問を投げかけていたのが印象的だった。

20091226 “こどもやまづくり教室”初日の活動(なかのビレジ)

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森林(やま)のカルタ

20091230yamanokaruta

冬の“こどもやまづくり教室”初日の一コマ。

世田谷区からの参加者たちが、バスで“なかのビレジ”に到着し、川場村からの参加者に合流した。
お昼ご飯を食べた後は、班分けをしたり、初めて逢う仲間達と互いに自己紹介したりして、少しの時間を過ごした。

その時に活躍したのが今年のニューアイテム。
大学生のリーダー達が事前に準備した“川場の森林(やま)のカルタ”だ。

森林(やま)に関する理解を助けるために、写真を選んで取り札をつくり、七五調の文章を考えて読み札をつくった。

地域のこと、可憐な花のこと、可愛い虫たちのことなどなど、多彩な内容の川場村限定手作りカルタに子ども達も白熱した争奪戦を繰り広げてくれていた。

少し後で、森林内の散策に出かけたときには、「あっ、カルタにあった!」と早速活用してくれていた。

緊張をほぐして仲間作りを助けながら、川場の森林(やま)のあれこれに触れてもらうという学生達の狙いは見事的中したようだ。

20091226 手作りカルタ(なかのビレジ)
RICOH GR DIGITALⅡ

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2009年12月29日 (火)

2009こどもやまづくり教室閉幕

20091229kodomoyamadukurikyousitu

本日、3泊4日の行程で実施した、2009年冬の“こどもやまづくり教室”と“川場まるごと滞在記”をなんとか無事に終えることができた。

活動の詳細については、明日以降紹介したいと思っているが、今冬も多くの子ども達と一緒に川場の冬を堪能することができた4日間だった。

炭焼き名人のお話をうかがったり、雪に残された動物の足跡をトレースしたり、雪まみれになって遊んだり、世田谷区と川場村に住む小学生~高校生と共に森林(やま)浸って帰ってきた。

20091229 こどもやまづくり教室(友好の森)
NIKON D90 70-300

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2009年12月25日 (金)

いよいよ明日から

20091225huyunozoukibayasi

いよいよ明日から“冬の子どもやまづくり教室”と“川場まるごと滞在記”が始まる。
双方とも、多くの方々のご理解と、ご支援によって毎年実施している教室だ。
※昨年の様子は→こちらから

“子どもやまづくり教室”の対象者は、川場村または世田谷区の小学校に通う4~6年生の男女。
“川場まるごと滞在記”の対象者は、中・高校生達である。

数日前の寒波が逸れてからは晴天が続いているようだが、きっとこの教室の間にはたくさんの雪が降って参加者たちを迎えてくれることだろう。

川場村の、そして川場村の森林や農林業の面白さや大切さに気づいてもらうこと、そして、冬の森林(やま)とのつき合い方を少しでも知ってもらいたくて毎年開催している。

この冬も、多くの子ども達と一緒に雪まみれになって遊びながら、新しい何かを見つけてきたいと思っている。

20091220 雪景色の雑木林(友好の森)
RICOH GR DIGITALⅡ

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2009年12月24日 (木)

密会

20091224mikkai

村内某所にあるオサムさんの家に集まって四方山話。

夢一杯の若手農業者に集まってもらった。

年明けから本格的にスタートさせたいと思っている、野生動物と地域住民の関係についての調査のための顔合わせが目的である。

昨今の農林業情勢は、やはり農家にはとてつもなく重い。
けれど彼らは、決して悲観的な厭世家ではない。
ちゃんと夢を持ち、そのための努力を怠っていない。

野生動物のことだって、単に“害獣”“害鳥”と決めつけたりせず、共存の途を探る気持ちも持ってくれていることが確認できた。

村や県からの助成を受けられるのであれば、ありがたく使う。
けれど、補助金がなければ何もできないだなんて少しも思ってはいない。

年の瀬に、希望と元気をもらうことができた晩だった。

20091219 

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2009年12月23日 (水)

後山でイノシシ初記録

20091223inosisi

後山には何台もの自動撮影装置を仕掛けてあるのだが、データの回収に時間のかかる1台が、2ヶ月間もほったらかしになってしまっていた。

今回ようやく、このカメラのデータを回収することができたのだが、カモシカやノウサギ、タヌキやアナグマといったすっかりお馴染みになった動物たちに加えて、なんとイノシシが記録されていたのだ。

と、一人興奮していても、多くの方々には何のことやらさっぱりだろうが、これは、後山の動物7不思議の内の一つを覆す出来事なのである。

一つは、なぜかニホンジカが棲息していないこと。
そしてもう一つが、イノシシが棲息していないことだったのだ。
(もっとも、残りの5つの不思議は、現在探索中なのであるが)

もともと、ニホンジカとイノシシは積雪に弱い動物で、冬眠をして冬を乗り切るという機能も持ち合わせてはおらず、川場村では見かけない動物であった。
それが、近年の寡雪・暖冬傾向の中で数を増やし、この数年間では、村内の至るところで目撃され、それに連れて農業被害も増加している。

それなのに、なぜか後山では未確認だったのである。
後山に隣接する集落の住民に尋ねても、見たこともないという話しか聞いてこなかった。

それが、今から約2ヶ月前の10月26日の深夜に静かに記録されていたのだ。

その後は再び記録されないところをみると、気まぐれで迷い込んだ個体である可能性が高いのだが、それでも、後山における初記録である。

後山は、カモシカの生息密度が異様ともいえるほど高いことと何らかの関係があるのかもしれない。
丹念な記録から何かが見えてくるかもしれない。

20091026 イノシシ初記録(後山)
自動撮影装置

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2009年12月22日 (火)

冬の味覚“春駒乃里”

20091222harukoma1

川場村の門前地区には、2つの“春駒”がある。
ひとつは、養蚕の盛業を願う“春駒祭り”。
そして、もう一つが、祭りの名を由来とする乾燥芋の“春駒乃里”である。

先日、この内のひとつ、乾燥芋の“春駒”づくりを見学させていただいた。

乾燥芋の原料に向く“玉豊”という品種のサツマイモは、一般に食するサツマイモに較べると肌が白いのが特徴だ。

晩秋に掘り採ると、寒冷紗で遮光したビニルハウスの中で寒風が吹く時期まで養生する(写真:左上)。
この間に余分な水分が抜け、糖度を増した芋の皮を剥き、3~4時間かけてじっくりと蒸し上げる。

そして、雨よけのビニルハウスに移され、いよいよ乾燥の行程に入る。

1週間ほど経つと、ちょうど芋羊羹のような状態となり(写真:右上)、この段階で食べてもなかなかに美味しいのだが、まだ完成ではない。
さらに、雨を避けつつ寒風にさらすこと2週間。
白濁していた芋は、透明度が増し、まるで柑橘類のような爽やかな甘い香りが辺りに漂い始める(写真:左下)。

もちもちとした食感、ほどよい甘み、すっきりした香りが魅力の乾燥芋の完成である。

この日も、いつものように製造者の桂一さんの話を伺いながら、できたてをつまみ食い。
みんなの顔がほころんだ。

20091222harukoma2_2

※乾燥芋“春駒乃里”は村内各所でもお求めいただけますが、製造者からの直接販売もご利用いただけます。
お問い合わせは下記までお願いします。

■お問い合わせ先■
乾燥芋製造:戸丸桂一さん
TEL 0278-52-3115 

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2009年12月21日 (月)

後山のニホンカモシカ

20091221kamosika

設置してあるセンサーカメラ(自動撮影装置)をチェックしながら、冬の後山を散策してきた。
辺りには、前日までほぼ二日間にわたって降り続けた雪が融けずに残っていて、ほぼ真っ白な雪景色を楽しみながらの半日を過ごした。

午後3時をまわり、急に気温が下がり始め、二重履きにした靴下の間には使い捨てカイロを忍ばせていたのだが、それでも足先から雪の冷たさが伝わるようになってきた。

何台目かのカメラをチェックしてから移動を始めた矢先のことだった。

何かに見つめられているような気がして視線を向けると、一頭のニホンカモシカがこちらをじっと見つめていた。

つい先程チェックを終えたばかりのカメラは、水が絶えることなく浸みだしている水場に向けて設置してあるのだが、ちょうどその辺りは南向きの斜面で雪解けも早く、格好の餌場にもなっているようところなのである。

おそらく、その水や餌を求めてやって来たところだったのだろう。
この雄のカモシカが立っているところにも雪がない。
寒さや雪には強い彼らも、できることならば雪のないところを選びたいようだ。

しばらくの間、モデルになってくれた後、ゆっくりとスギの造林地のなかに消えていった。

カモシカは、臆病さと好奇心を同居させた不思議な動物である。
とても慎重に人間との距離をとるのに、バッタリと出会っても、一目散に遠くまで逃げるようなことは少ない。
何食わぬ顔で、それでいてじっくりとこちらを観察していることが多い。

今月15日付けの読売新聞(群馬県版)では、ニホンカモシカが増えて人を襲う恐れが高まっているとして、群馬県が捕殺を視野に入れた駆除の検討を始めたという記事が掲載されたようだが、どうも信じることができない。
もちろん皆無ではないだろうが、駆除の必要性を裏打ちするするような事態だとは思えないのである。

彼らとの共存の途を探る努力を急がなければならないようだ。

20091219 ニホンカモシカ(後山)
NIKON D300 70-300

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村の夕景

20091221huyugesiki

今月の17日、そして18日と降り続いた雪が、川場村を冬景色に変えていた。

19日、20日と気持ちの良い晴天が続いたが、午前9時でもマイナス3℃と冷え込んでいたので雪も融けずに残っている。
続けて降雪があれば根雪となるだろう。

26日から29日にかけて、小学校4~6年生を対象とした“こども森林(やま)づくり教室”を開催するので、雪の川場で遊べることを熱望している。

後山から武尊山の方面を望むと、夕日に映えた光景が美しかった。

20091220 村の夕景(後山)
NIKON D300 70-300

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2009年12月18日 (金)

冬を乗り切るために

20091218sikanohuyu

今日も、昨日に引き続き、川場村では結構な降雪があったようだ。
自然に関わる仕事をしていると、森林(やま)の天気がどうしても気になってしまう。

もちろん、私の仕事などは、雨が降ろうが、雪が降ろうが、楽しんでしまえばよいのだから、気楽なものである。
いや、それどころか、雪が降ったという情報が入ると、年甲斐もなくワクワクしてしまうほどだ。

農業や林業の関係者ではこうはいかない。
天候は、直接に彼らの生活に影響を与えるのだからあたりまえである。

今年は、暖冬であるとの長期予報が発表されているが、実際のところどうなのだろうか。

昨日・今日と積雪をみているし、まだまだ分からないが、少なくとも青草が例年よりも遅くまで繁っていたことは確かである。

以前にもお知らせしたように、秋口から晩秋にかけての雄シカは、パートナーの争奪戦に全力を尽くし、この間に体重を20~25%も減じるという。
恋のシーズンを終えた彼らにとって、厳冬期を迎えるために必死で餌を漁っている最中である。
この時期に、比較的豊富な餌があるということは、冬を乗り切る体力もつき、胎児の成長も良いことが想像できる。

感情的には、シカ達が無事に冬を乗り切って、可愛らしいバンビを見せてくれることを期待したいのだが、個体数が増えれば、春以降の農産物被害なども拡大する可能性がある。

被害が深刻化する前に、なんとか共存の途を見つけたいと思っている。
明日からの2日間は、野生鳥獣の生息状況の調査と、地域住民の野生鳥獣に関する意識調査のために川場村にお邪魔する。
晩には、農家の若手に集まってもらい、一杯傾けながら色々とヒントを戴く予定でいる。

20091211 草をはむニホンジカの雄(ヒロイド原)
自動撮影装置

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2009年12月17日 (木)

コガラ

20091217kogara

先日紹介した“ヒガラ”と同じ混群にいた“コガラ”。
“ジィジィツチョツチョ”と鳴いていたのはコガラである。

ヒガラよりも一回り大きく、シジュウカラよりは小さい。

山地の林の中で見かけることが多い小鳥で、枝先にまで出てくることはあまりないのでなかなか写真に収めることができずにいた。

この日も伐開地の灌木の茂みの中から出てきてはくれなかったが、灌木が葉を落とした後だったので、比較的はっきりと姿を見ることができた。

ヒガラの胸には黒いよだれかけ。
シジュウカラの胸には黒くて長いネクタイ。
そして、このコガラの胸には可愛い蝶ネクタイ。
それぞれのお洒落が種を見分けさせてくれる。

昆虫やクモなどを主な餌とする彼らには、いよいよ厳しい季節がやってきたようだ。
仲間からの今日の報せによれば、川場村では、朝からちらちらと小雪が舞い、昼過ぎからは粒の大きな雪が降っているそうだ。

20091213 コガラ(後山)
NIKON D90 70-300

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2009年12月16日 (水)

アカスジキンカメムシの越冬

20091216akasujikinnkamemusi

ヒロイド原のコナラの森のなかを歩いていると、同行者が蹴立てた落ち葉の下で、何か黒光りするものが目にとまった。
立ち止まって見てみると、アカスジキンカメムシの5令(終令)幼虫だった。

このカメムシは、成虫になる一歩手前の5令幼虫で越冬する。
9月2日の記事で、アカスジキンカメムシの幼虫が集団をつくることを紹介したが、暖冬の今年でも、既に越冬体制に入っていたようだ。

この時期になると、目にすることができる虫は本当に少なくなる。
ニホンミツバチやハナアブの仲間、それにカメムシの仲間などが寒さに強いようだ。
それでも、陽が射す束の間にのろのろとした動きの彼らに出遭うくらいである。

けれども、虫たちはちゃんと命を繋いでいる。
少し考えれば分かることなのだが、冬の間に虫たちが死滅してしまうのではない。
人の目に触れないところで、様々に工夫を凝らして冬を乗り切っているのである。

卵で冬を越すもの、幼虫で冬を越すもの、蛹で冬を越すもの、成虫で冬を越すもの。
そして、その越冬場所も様々で、土の中、朽ち木の中、吹きさらしの木の枝、枯れ葉の間、等々多様だ。

草木が繁り、虫がいて、動物がいて、鳥がいて、多種多様な生物の存在が強く美しい森林(やま)をかたちづくっている。

20091212 越冬中のアカスジキンカメムシ(ヒロイド原)
NIKON D300 105MICRO

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枝打ち

20091216edauti

12月12日から13日にかけて、2009年度第3回目の養成教室を開催した。
今回の教室のメインテーマは“枝打ち”である。

枝打ちは、無節の優良材を育てること、完満(樹木の梢端部分と地際部分の直径がほぼ同じ)で通直(幹に曲がりがないこと)な材を得ること、年輪幅の小さな木材を得ること、林内に風通しと明るさを確保すること、等々を目的として行う作業だ。

わが国の人工林樹種の代表であるスギは、枯れ枝が勝手に落ちてくれるからまだ良いのだが、ヒノキの場合は、枝が枯れてもなかなか落ちず、樹幹の肥大成長に伴って巻き込まれていき“死に節”となるのでやっかいだ。

“死に節”とは、木材を板や柱に加工した際に、ポコリと穴が空いてしまうような節を指し、木材の価格を極端に低下させてしまう。

スギに較べてヒノキの材価が高いことから、不適地にまで無理をしてヒノキの植林を行ったケースが多いのだが、それが今では仇となってしまっている。
ヒノキはスギよりも遙かに手のかかる樹種なのである。
今では、ヒノキが我が国林業の首を絞めてしまっている側面があると思う。

参加者・スタッフ併せて、総勢30名程での教室実施となったが、枝打ちを終えて明るくなった林内では参加者の顔も明るくなったようだった。

20091213 養成教室での枝打ち(友好の森)
NIKON D300 105MICRO

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2009年12月15日 (火)

ノウサギの忘れ物

20091215usaginounnti

ヒロイド原のコナラの森のなかでノウサギの忘れ物を見つけた。

ノウサギをはじめとするウサギの仲間は“軟便”と“硬便”という2種類の糞をすることが古くから知られてきた。
そして、これら2種類の糞には大きな違いがあって、“軟便”は多くの栄養分を含み、ウサギは肛門から直接この軟便を食べ、その後に“硬便”を排泄するのだと信じられてきた。

ところが、この解釈が不十分なものであることを森林総合研究所の平川浩文氏が明らかにした。
平川氏によれば、“軟便”ばかりではなく、ウサギは“硬便”も日常的に摂食しているというのだ。

ウサギは、人間とは異なり、盲腸とそれに続く結腸が発達しており、盲腸内で微生物の力によって発酵された食物が排泄されると“軟便”となり、その際に発酵が進まなかったものが“硬便”となるのだそうだ。
そして、夜行性であるウサギは、夜間には新しい食物を食べ硬便は放棄するが、日中には藪の中などで休みながら“軟便”は当然のことながら“硬便”も食するのだという。
つまり、休息中には未消化の“硬便”を再咀嚼することで発酵が進み易くしていることになる。

シカなどと違い、反芻(吐き戻し)という機構をもたないウサギの仲間が、消化の困難な植物を食べて生きていくために身につけた驚くべき仕組みである。

20091205 ノウサギの糞(ヒロイド原)
NIKON D300 105MICRO

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2009年12月14日 (月)

ヒガラ

20091214higara

川場村に住む仲間から大粒の雪がふってきたという報せが届いた。
昨日までは、寒くなってきたとはいえ、12月とは思えないような暖かい日が続いたが、いよいよ冬将軍の到来なのだろうか。
天気予報でも、これからしばらく曇り時々雪ということになっているようだ。

いずれにせよ、この時期の川場村は午後3時を回ると急激に気温が下がる。
森林(やま)遊びを考えている方々は、防寒の支度をきちんとしないとゆっくり楽しむことができなくなってしまうのでご注意を。

写真は、昨日(12/13)の午後、後山での一枚。
豆粒のようにしか写せなかった写真を無理矢理トリミングしたので画像は悪いがモデルは良い。

後山の山頂にある展望台のすぐ傍まで行くと、“ツピンツピンチー”“ジィジィツチョツチョ”“ツツッピィー”と様々に鳴き交わす小鳥の声が聞こえてきた。
カラの混群がすぐ近くにいた。

少しの間息を潜めていると、そのうちの一種類の可愛らしい姿を目にすることができた。
“ヒガラ”である。

のど元に真っ黒いよだれかけ、頭頂部には小さな冠羽、雨覆い羽の先端部分が肩口に白いラインをつくっている。
カラの仲間の中で最も小さい躰も特徴だ。

主に針葉樹林内で昆虫類やクモ、それに草木の種子などを食べる小鳥だが、このときは伐開地のムラサキシキブの実を食べに来ていたようだ。

スズメ目シジュウカラ科に分類されるが、スズメやシジュウカラに較べると遙かに小柄で、ヒガラに較べるとシジュウカラがずいぶんと大きく見えてしまう程である。

20091213 ヒガラ(後山)
NIKON D90 70-300

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共に汗する

20091213kyoudousagyou

中野地区の牧野組合・共有林組合の皆さんと世田谷区民の方々との共同作業も今年で7年目になる。

30年ほど前に、地元の方々が、「この木が育ったら皆でハワイ旅行に行けるぞ」と希望を持って植林したスギとヒノキの人工林だが、林業・木材産業界の昨今の冷え込みの中ではとてもとても無理な話だ。

それでも地元の方々は、森林(やま)を次世代に引き継ぐため、村域の自然環境を護るために毎年の作業を欠かすことはない。

野生動物の被害に悩みながらも、絶滅させるような駆除は行いたくない、それには豊かな森林(やま)を育てなければ、と意欲的だ。

他の地区の住民からも、中野の森林(やま)が動物を養ってくれているから比較的被害が少なくてすんでいると評価もされ始めた。

村長(写真右上)までもが気さくに参加してくれるのも、川場村の魅力の一つだろう。

手道具を中心としたゆっくりとした作業だが、例年にない温かな日和の中で、けが人もなく楽しい一日を過ごすことができた。

20091212 共同作業(中野地区)
NIKON D300 105MICRO

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2009年12月10日 (木)

マユミの実

20091210mayumi

谷地地区を県立21世紀に向かって散策していると、マユミの雛飾りのような色彩が目にとまった。

マユミは、わが国と中国に自生するニシキギ科の落葉低木で、“ヤマニシキギ”の別名ももっている。
紅葉も楽しめる上に、果実と種子が写真のように冬景色に彩りを添えることから、庭木や盆栽としても人気が高い。

材は、よくしなる上に強靱であり、古くから弓の材料とされてきた。
漢字では“真弓”と書き記されるが、代用品ではなく“真”の“弓”の材料となる木という意味を持っている。

他には、和紙の材料ともされたり、印鑑や櫛など、何れも稠密な材質を求められるものに利用されてきた。

また、春先にでる新芽は、お浸しや天麩羅などにも供されてきた。

冬の森林(やま)には、他の季節にはない華やぎがある。

20091120 マユミの実(谷地地区)
NIKON D90 70-300

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2009年12月 8日 (火)

ヤドリギ

20091208yadorigi

標高1000mほどの所で、車を停めて冬のカラマツ林を楽しんでいると、カラマツの中に何本か混じっているブナの木が目にとまった。
樹高は25mほどもあろうか、なかなかの大木である。

この標高では、もうすっかり葉を落としているのに、このブナだけが緑色にけぶるように見えたのだ。

目を凝らしてみると、何十ものヤドリギが着生していることがわかった。
立っていたとことから目視できる範囲だけでも30ほどはある。
これほど多くのヤドリギが着いた樹木を見るのは初めてのことだった。

ヤドリギは、ヤドリギ科の常緑小低木で、“ホヨ”“ホヤ”“トビヅタ”などの別名を持つ。
早春に熟す実は、粘着質の物質を含んでいるのだが、この実をヒレンジャクやキレンジャクなどの野鳥が好んで食べる。
鳥の体内を通過した実は更に粘着性を増し、鳥が糞をすると1m余りにも連なり樹木に粘り着くこととなる。
樹木に粘り着いた実は、根を伸ばし始め、樹木の枝や幹に根を食い込ませていく。
樹木に寄生しつつ、自らも光合成を行うので“半寄生植物”とも呼ばれている。

ヤドリギを漢字で書くと“寄生木”または“宿木”。
まさに生態を表した名である。

ヤドリギは、一年に一節ずつ成長し、最大で1mほどの球体を成すが、一節はせいぜい3~5cm程なので、1mにも育つには数十年を要する。

川場村では、なぜか標高の高いところで多く見ることができる植物である。

20091120 ヤドリギ(川場スキー場付近)
NIKON D90 70-300

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2009年12月 7日 (月)

キツネの衣替え

20091207kitune

写真は、20日ほど前にヒロイド原近くの自動撮影装置が捉えたホンドキツネ。

ふかふかの冬毛を身にまとい、尾っぽもふんわり暖かそう。

自動撮影装置にはなかなか写らないし、目視することも稀だが、ヒロイド原を含む友好の森にはかなりの数のネズミたちが暮らしている。

これから始まる積雪のシーズンには、雪と大地が接する辺りにネズミたちはトンネルを掘って僅かな草などを食べて過ごすようだ。
土と雪のちょうど間を掘り進むものだが、春になって雪が融けると、トンネルの下半分が樋状になって私たちの目に触れる。
そのトンネルの数から、ネズミたちの存在を知ることができるのだ。
多くのネズミたちが暮らすからこそ、キツネも生きていくことができる。

ネズミも、そしてキツネも冬眠をしない動物であるので、これからのシーズンは受難のシーズンだが、なんとか無事に乗り切ってほしいものだ。

20091118 冬毛をまといはじめたホンドキツネ(ヒロイド原)
自動撮影装置

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頭上の景色

20091206uewomuite

今年は冬将軍の到来が遅い。

いつもの年なら、木々はとっくに紅葉を終え、葉を落としきっている時期なのに、常緑ではない樹種でも緑の葉を付けたままでいる。
高標高地は別としても、標高700mほどの友好の森では、未だに写真のような光景に出遭う。

写真は、11月20日の景色なのだが、現在でも大差がない。

冬晴れの空に、紅や黄に色づいた葉と緑の葉のコントラストがとても美しいのだが、どうも不安でならない。

寡雪・暖冬は地域の人々にとっても痛し痒しだ。
温かくて雪の少ない冬は過ごしやすいことは確かなのだが、冬が暖かいと自然界が変調をきたすおそれがある。
冬の寒さに晒されなければ、正常な成長が望めない植物や昆虫などが多いのだ。

そして、雪が少ないことも深刻な影響が懸念される。
森林(やま)の栄養をたっぷりと含んだ雪解け水が、春になって豊富に供給されることで田畑の潤いが保証されるからだ。

当然、農林産物にも影響が出るだろう。

森林(やま)を歩くときには、時々上を見上げると良い。
足元ばかり見ていては見逃してしまうような情報が発信されている。

20091120 頭上の景色
NIKON D90 70-300

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2009年12月 5日 (土)

10万㎞突破

20091205soukoukyori

本日、12月とは思えないような生ぬるい雨の中を川場に向かって走行中に、我が愛車、エクストレイルの走行距離が10万㎞の大台に突入した。
この内の約70%は川場村への行き帰りと、村内での走行距離だ。

故障しらずで、猛暑の日も、雨の日も、雪の日も、高速道路も、山道もよく走ってくれてきた。

森林(やま)づくりの道具やら、撮影機材やらがいつでも積み込まれているので、走る倉庫のようなものでもあるし、ほっと一息付けるマイルームでもある。

唯一の欠点といえば、この車を運転しているとどうしても睡魔に襲われてしまうことくらいのものだ。

これからも、多くの仲間を乗せて川場の森林(やま)に通うことだろう。
まだまだ現役。
期待大。

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2009年12月 4日 (金)

歴史の一コマ

20091204kama

エルニーニョ現象の影響だとかで、今年は全国的に暖冬だという。
それでも川場の冬は厳しい。

1937年(昭和12年)頃のことだと伝えられているが、朝晩の冷え込みと寒風を利用して寒天の製造が試みられたことがあったそうだ。
冬の農閑期の仕事として大きな期待が寄せられていたのだろう。

中野地区の有志が2007年にまとめた『地域の絆』という一冊の本によれば、開業当初は岐阜県より技師を招いて指導を受けながらの操業だったようだが、次第に村民が技術を習得し、1950年頃まで生産が続けられていたようだ。

短い間の操業であったが、地域の人々の生活を支えたのだろう。
操業停止から60年を過ぎた現在でも、寒天の原料であるテングサを煮た釜が置かれている。

中野地区の集会場の前、ブルーベリーの丘の入口駐車場前を通るときには目を留めてみてほしい。

20091120 寒天生産の名残(中野地区)
RICOH GR DIGITALⅡ

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2009年12月 3日 (木)

ミヤマガマズミの赤い実

20091203miyamagamazumi

ミヤマガマズミはスイカズラ科ガマズミ属の落葉低木。
真っ赤に熟す実は、冬の森林(やま)に鮮やかな彩りを添えてくれる。

ミヤマガマズミの名はガマズミに似ることから“深山”を冠しているのだが、とくに山深いところにあるわけではない。

ガマズミの由来については、諸説あるようだが、冬に熟した実は疲労回復や利尿作用などの薬効があり、“神様の実”という意味で“神つ実”といったという説と、材を鎌などの柄に供したことから“カマ”、そして実から染料を得たというので“染実(ズミ)”、これらが融合して“ガマズミ”になったという両説が有力なようだ。
後者については“染実”ではなく、酸っぱい実という意味で“酸実(ズミ)”だとする説もある。

完熟するまでは、若干の渋みだけが目立つ不味い実であるが、完熟すると酸味を伴った甘い味に変わる。
この実を採って果実酒をつくったり、ジャムをつくったりするのも楽しいものだ。
味わいたければ、野鳥やサル、テン、ハクビシン、そしてツキノワグマなどの野生動物と競争である。

ところで、このミヤマガマズミが属する“ガマズミ属”は、世界中の亜熱帯から温帯にかけて分布を広げており、約150種が確認されている。
わが国に自生するのは、この内の15種ほど。

比較的温かな気候を好むグループの樹木が川場村の冬を彩ってくれているというのも興味深いことである。

20091120 ミヤマガマズミの赤い実(谷地地区)
NIKON D90 70-300

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2009年12月 2日 (水)

ヤマハンノキの実

20091202yamahannnoki

川場スキー場の傍まで上がると、辺りはもうすっかり冬の装いになっていた。
標高1,000m以上のこの辺りでは、人工林もほとんどがカラマツだし、シラカンバやブナなどもすっかり葉を落としている。

冬景色のなかで目を惹いたのは、ツルウメモドキの朱色の実や、ミヤマガマズミの真っ赤な実、まゆみのピンク色の実(外皮)などで、爽やかな青空に何れも良く映えていた。

そんな中で、地味だけれど面白いものを見つけた。

カバノキ科のヤマハンノキだ。
ちょっとしなびたウィンナーのような細長いものは雄花(花穂)の蕾。
雄花の蕾の上に垂れ下がるように小さく着いているのは雌花の蕾。
そして、小さな松ぼっくりのようなものは、この前の秋に種を散らした球果の殻だ。

ハンノキの仲間はこのように球果をながく残すものが多い。
次の年に新しくできた球果と並んで古い球果が着いているのも珍しい光景ではないほどだ。

12月~2月頃の厳冬期に花を咲かせ、受粉後は翌年の10月頃までかけて実を成熟させる。

比較的痩せた(栄養の少ない)土地を好む植物で、根に放線菌が共生し窒素の固定を行うために、崩壊地などに先駆的に出現する木本植物である。

20091120 ヤマハンノキの実(川場スキー場付近)
NIKON D300 105MICRO

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