ヤマハンノキの実
川場スキー場の傍まで上がると、辺りはもうすっかり冬の装いになっていた。
標高1,000m以上のこの辺りでは、人工林もほとんどがカラマツだし、シラカンバやブナなどもすっかり葉を落としている。
冬景色のなかで目を惹いたのは、ツルウメモドキの朱色の実や、ミヤマガマズミの真っ赤な実、まゆみのピンク色の実(外皮)などで、爽やかな青空に何れも良く映えていた。
そんな中で、地味だけれど面白いものを見つけた。
カバノキ科のヤマハンノキだ。
ちょっとしなびたウィンナーのような細長いものは雄花(花穂)の蕾。
雄花の蕾の上に垂れ下がるように小さく着いているのは雌花の蕾。
そして、小さな松ぼっくりのようなものは、この前の秋に種を散らした球果の殻だ。
ハンノキの仲間はこのように球果をながく残すものが多い。
次の年に新しくできた球果と並んで古い球果が着いているのも珍しい光景ではないほどだ。
12月~2月頃の厳冬期に花を咲かせ、受粉後は翌年の10月頃までかけて実を成熟させる。
比較的痩せた(栄養の少ない)土地を好む植物で、根に放線菌が共生し窒素の固定を行うために、崩壊地などに先駆的に出現する木本植物である。
20091120 ヤマハンノキの実(川場スキー場付近)
NIKON D300 105MICRO
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