アカスジキンカメムシの越冬
ヒロイド原のコナラの森のなかを歩いていると、同行者が蹴立てた落ち葉の下で、何か黒光りするものが目にとまった。
立ち止まって見てみると、アカスジキンカメムシの5令(終令)幼虫だった。
このカメムシは、成虫になる一歩手前の5令幼虫で越冬する。
9月2日の記事で、アカスジキンカメムシの幼虫が集団をつくることを紹介したが、暖冬の今年でも、既に越冬体制に入っていたようだ。
この時期になると、目にすることができる虫は本当に少なくなる。
ニホンミツバチやハナアブの仲間、それにカメムシの仲間などが寒さに強いようだ。
それでも、陽が射す束の間にのろのろとした動きの彼らに出遭うくらいである。
けれども、虫たちはちゃんと命を繋いでいる。
少し考えれば分かることなのだが、冬の間に虫たちが死滅してしまうのではない。
人の目に触れないところで、様々に工夫を凝らして冬を乗り切っているのである。
卵で冬を越すもの、幼虫で冬を越すもの、蛹で冬を越すもの、成虫で冬を越すもの。
そして、その越冬場所も様々で、土の中、朽ち木の中、吹きさらしの木の枝、枯れ葉の間、等々多様だ。
草木が繁り、虫がいて、動物がいて、鳥がいて、多種多様な生物の存在が強く美しい森林(やま)をかたちづくっている。
20091212 越冬中のアカスジキンカメムシ(ヒロイド原)
NIKON D300 105MICRO
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