カシラダカ
年末のある日、雪のヒロイド原を散策していると、灌木の茂みの中から“ちっ”“ちっ”と一声ずつ2秒ほどの間隔を開けながら規則正しい鳴き声が聞こえてきた。
声はするのに姿はなかなか見えない。
声がする方向をしばらく見つめていると、色合いも大きさもスズメによく似た小鳥が枝を渡るのが見えた。
はじめはホオジロかと思ったが、頭上の羽(冠羽)が逆立っているし、腹も白い。
そういえば、鳴き声も“ちっちっちっ”と連続せずに、一声ずつだった。
どうやら“カシラダカ”のようだ。
カシラダカは、遠くカムチャッカ半島辺りから冬期にやってくる冬鳥である。
10月の下旬から翌年の5月くらいまでの間を日本で過ごす。
植物の種子や虫などを食べながら冬を越すのだが、もっと暮らしやすいところに行けば良さそうなものなのに、川場村も越冬地として選ばれている。
カムチャッカに較べれば、川場村の冬などどうということもないのだろう。
それにしても、遠い北の国からの渡りの途中で、ここを越冬地に選んだ理由は何だったのだろうか。
ソロモン王の指輪を借りてみたいものである。
20091228 カシラダカ(ヒロイド原)
NIKON D300 70-300
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