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2010年1月20日 (水)

キツネと油揚げ

20100119kitune

タヌキの話題を出しておいてキツネに触れない訳にはいかない。

関西人に“きつね蕎麦”などというと、笑われたり叱られたり。
彼の地では、きつねは“うどん”、たぬきは“蕎麦”と決まっているらしい。
確かに、大阪などの時代を重ねたうどん屋に入ると、お品書きには“きつね”“たぬき”としかないことが多い。蕎麦だの、うどんだの文字は付いていないのだ。

きつねうどんには、ご存じのように油揚げが乗せられている。
うどんの汁とは別に甘辛に煮つけた油揚げを噛むと、じわっと旨味が口中にひろがり、幸せなことこの上ない。

油揚げを“きつね”と称していることはもちろんなのだが、なぜそうなったのかご存じだろうか。

乾燥さえきちんとできていれば保存性が非常に高い穀類は、時代を問わず人々の生活を支える重要品であった。
この重要品の共同保管庫を“やしろ”と呼んだのだが、風通しを良くするために土を盛り、日光を遮るために、一年中葉を落とさない常緑樹を“やしろ”のまわりに植栽したのだという説がある。
“やしろ”とその周辺の空間には、土があり、樹木があることから“杜(もり)”の字が充てられたのだという。
時代とともに、重要品である穀物倉には神が棲むこととなり、“杜”の字の木偏が、神聖なものを意味する文字に使われる示偏にかわり、“社”の文字が生まれ、そのまま“やしろ”の音も与えられたと考えられている。
現在の神社仏閣の多くが高床式でつくられ、必ずと言っていいほど周囲に樹木が配されていることに合点がいく。

こうした来歴を現在に直截伝えるのが“稲荷神社”であるわけだが、もともとが穀物倉である以上、最大の敵はネズミであった。
このネズミを補食する動物としてキツネを入口に配し、供物としてネズミに似せた油揚げを供えたことから、油揚げを“いなり”ともいうようになったのである。

油揚げが酢飯を包めば“いなり寿司”、うどんに乗れば“きつねうどん”。
自然の猛威と闘いながらも、自然を利用し、自然と共に生きてきた先人達の生活に思いを馳せるのに恰好のきっかけだと思うのだが、いかだろうか。

ちなみに、キツネそのものの語源・由来については、またあらためて。

20091221 雪の中のホンドギツネ(ヒロイド原)
自動撮影装置

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コメント

Berryさん!
こんにちは!

主旨とズレてなんかいませんよ!

実は、最近、Berryさんのとこのグリーンカレーに少しでも近づくべく研究を重ねています。
結構良い線いってるんですよ!

自画自賛。。。

コメントとずれたレスでした…

キツネの語源もお楽しみに!

投稿: くま | 2010年1月22日 (金) 14時55分

。。。。

昔からのいなり寿司とキツネうどん。。。

すごく美味しそうですね。。。
そういえば私、きつねうどんを自分で作ったことないわぁhappy02

え?趣旨とずれたコメントですかwobbly

キツネの語源、楽しみにしてます♪

投稿: Berry | 2010年1月22日 (金) 14時42分

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