理解できない
村はずれの山裾に、墓地と磨崖仏が隣り合う静かな空間がある。
背後には豊かな森林があり、眼前には数百年も営々と継がれてきたであろう田園風景がひろがっている。
人々の営為と自然が織りなすここの風景が大好きで、時間があると訪れるようにしている場所だ。
この場所で、一種異様な光景が目に入った。
赤と白の派手な色が農村の景観を損ねている。
オリエンテーリングの常設コースに設置される金属製のポストなのだが、この傍若無人ぶりが、どうしても鼻につく。
オリエンテーリングというスポーツ自体を非難するつもりは毛頭ないが、このポストだけはいただけない。
そしてさらに、ポストの下部には左の写真のような掲示までされている。
“オリエンティア”というのは、おそらくオリエンテーリングの競技者を指す言葉なのだろうが、“自然保護の監視役”だというから驚いた。
“自然保護”を“監視”するという意味すら理解不能だが、自然保護を実践する者ではなく、監視する者を標榜しているのだとしたら、“オリエンティア”という人々はどのような存在なのだろうか。
土地土地の景観は、風土と歴史が生み出したかけがえのない美である。
せめて、競技時以外はカバーを掛けるとか、三脚のような物で競技時にのみポストを設置するとか、なんらかの配慮が出来ないものだろうか。
20100221 オリエンテーリングのポスト
RICOH GR DIGITALⅡ
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コメント
yuriさん
こんにちは!
コメントありがとうございます!
日常にある物事の重要性や面白さって、自覚しにくいのだと思います。
だからこそ大切にしにくいのでしょうね。
投稿: くま | 2010年2月24日 (水) 22時09分
私がそこに居合わせたら、全く同じことを思ったでしょう。こういう日本人の民度の低さとセンスの悪さは、どうにかならないものかと常々考えています。一日も早く、このような看板は撤去してもらいたいものです。
投稿: yuri | 2010年2月24日 (水) 12時25分