西洋かんじき
森林(やま)で遊ぶときには、夏でも冬でも、基本的には、靴底にスパイクの付いた長靴を愛用している。
苔生した川底の岩で滑ることもなく、樹皮を剥いだばかりのヌルヌルとする丸太の上に立つときにも安心だし、凍った路面ですってんころりんということもない。
スパイク付きの長靴は、森林(やま)遊びの強い味方である。
それほど高価なものでもない。
確か3000~4000円くらいの買値だったと思う。
それをもう10年ちかく履き続けている。
しかし、何に対しても、そんなに万能を期待するものではない。
やわらかい雪が積もった森林(やま))を行くには、長靴では限界がある。
一歩踏み出すごとに、足がズボズボと雪に沈み込んでしまい、ひどいときには身動きができなくなってしまう。
腹の突き出た中年のおっさんの場合、その傾向が顕著なのだから困ってしまう。
そんなときの強い味方が“スノーシュー(西洋かんじき)”である。
スノーシューやスキーを装着していない“ツボ足”では、腿まで潜ってしまうような新雪でも、せいぜい膝くらいまでで切り抜けることができる。
原理は極めて簡単で、設置面積を稼いでいるだけなのだが、なかなかの優れものである。
わが国でも“かんじき”と呼ばれる伝統的な雪中歩行用具がある。
エゴノキやサルナシ、クロモジ、タケなど、様々な素材が利用され、その土地土地の雪の量や質、斜面の緩急などで多様な形態のものが利用されてきた。
“かんじき”に較べるとスノーシューは、圧倒的に重たいし、極寒の中では手に冷たいのだが、装着したときの沈み込みの小ささと、装着のしやすさではこちらに軍配が上がる。
川場村にも、まだ“かんじき”の作り方を憶えている人がいることだろう。
近いうちに、川場バージョンの“かんじき”づくりに挑戦してみたい。
20100207 スノーシュー(友好の森)
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