冬毛のテン
後山の山裾に設置している自動撮影装置(センサーカメラ)に、忍び足で歩く、とても綺麗なテンが記録された。
足先だけが黒く、ほぼ全身が黄金色で、顔が白い。
冬毛の特徴である。
夏毛のテンは、全身の色はもう少しくすんだ色で、足先と顔面が黒い。
※夏毛のテンは→こちらから
テンは、非常に慎重に行動する動物であることが知られており、川場村でも、自動撮影装置には頻繁に記録されるものの、目視する機会は殆どない。
獲物に近づくときにも、何度も傍まで近づきながら、また離れ、周囲の危険をよく観察し、退路を確認してから初めて食らいつくことが知られている。
ただし、いったん安全であることを確認すると、大胆に振る舞い、人家内まで侵入したりもする。
最近、佐渡のトキ保護センターで、飼育中のトキがテンに襲われるというニュースが報道されたが、テンが慎重に行動する動物ではなく、飼育舎の周りをうろうろするようであったならば、トキを守る手だてが事前に講じられたことだろうし、大胆さを併せもつ動物でなければ人工飼育下のトキを襲うこともなかっただろう。
テンの性質をよく表す事件だったように思う。
それにしても、この事件。人災であって、テンには何の罪もない。
もうすぐ、テンも装いを夏仕様にかえる季節がやってくる。
20100225 冬毛のテン(後山)
自動撮影装置
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コメント
ねーねさん!
こんばんは!
バレちゃいましたね(笑)
実はちょっと“アン”を意識しておりました。
投稿: くま | 2010年3月23日 (火) 00時37分
「冬毛のテン」と「赤毛のアン」って、
・・・・似てません?
新聞に、いかにも「犯人の姿を取材班が捉えたっっっ!」みたいなテンの写真が載ってました。
なんだか少し、笑えました。
なんだかなぁ。
投稿: ねーね | 2010年3月21日 (日) 23時47分
こにタンさん!
こんばんは!
そうなんですよね。
もともと、佐渡にはテンは棲息していなかったと考えられています。
トキを現在のような状況に追い込んだのも人間なら、テンを佐渡に移入させたのも人間なんですよね。
野生生物の保護を始めとする自然保護というのは、本当に複雑な問題を孕んでいますね。
困難ですが、投げ出さずに向き合っていきたいと思います!
投稿: くま | 2010年3月20日 (土) 23時40分
佐渡のトキの事故、環境省は「順化ケージ」周辺にどんな動物が生息しているのか把握していなかったんでしょうか?
あまりにも“お粗末”という印象を受けました。
トキが殺されたからテンを駆除、という話になると、
テンにとっては災難です。
しかし、佐渡のテンはノウサギ駆除を目的に持ち込まれたのだとか。
これは、難しい問題ですね・・・
投稿: こにタン | 2010年3月20日 (土) 23時35分