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2010年3月19日 (金)

シカ柵の試験設置

20100319sikasaku

ヒロイド原の一画に、試験的にシカ柵を設置した。
シカ柵は正式には“防鹿柵(ぼうろくさく)”といって、その名のとおり柵内の植生をシカの食害から守るための設備である。

柵の高さは、約2m。
ニホンジカが跳び越すことができない高さだといわれているが、跳び越えて内部に侵入した例も各地で報告されており、万全の備えとは言い切れないのが実情である。

また、倒木や着雪などによって柵が倒れたり、ネットの一部が破れたりすれば、当然そこが進入路となる。
全国各地で、こうした柵が設置されながらも芳しい効果を上げていないのは、柵を設置したことで安心し、柵の補修などを疎かにするケースが少なくないことによる。

戦前から戦中に掛けての乱獲によって、シカやカモシカが激減していた時期には、林業被害をもたらす“害獣”の筆頭は“野鼠(やそ)”と呼ばれた野ネズミの仲間であったのだが、このシカ柵ではネズミの往来を防ぐことはできない。

ニホンジカをはじめ、ニホンカモシカ、イノシシ、ツキノワグマ、ノウサギなどの侵入を阻むであろうこの設備が吉と出るのか凶と出るのか。
少なくとも、動物たちによる草刈り効果は期待できなくなるはずである。

ともあれ、この柵の内側と外側でどのような植生の変化が起こるのか、これから観察を続けていきたいと思っている。

20100314 シカ柵の試験設置(ヒロイド原)
NIKON D300 70-300

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コメント

鹿対策に狼の導入 参照 http://japan-wolf.org/content/faq/

投稿: 名無し | 2013年1月28日 (月) 08時58分

ごんさん!
こんばんは!

2つまとめてお返事です。

“バランス”
物事の大切なとらえ方ですよね。
映画“空手キッズ”のお師匠さんもそう言っていましたし(笑)
いやいや、まじめな話、自然界は全てバランスで成り立っていると思います。
ただ、そのバランスも単一の姿しかないのではなく、多様なバランスのとり方があり得るあたりが難しいところですよね。
人間が歩いている所を連続撮影して、その一コマ一コマを見ると、どの一コマも、とても不安定なものに見えるのですが、それが連続すると安定するから不思議です。
自然界についても同じで、ある局面だけを切り出して観察をすると、とても危ういものに見えてしまうことがありますが、連続して観察をすることで安定性を見出すことができるケースもあります。

もう一方のシカ柵についてです。
柵で囲われた森林は、やはり不完全な森林だと思います。
先の言い方をすれば、“柵”という人工物によって初めてバランスが保たれていたり、あるいは逆に、“柵”があることでバランスが崩されていたり。
友好の森では、この辺りを観察していきたいと考えています。

長文のわりに、分かりにくい文章で申し訳ありません。

投稿: くま | 2010年3月20日 (土) 00時06分

被害が出ているわけではないのですよね?
前の話の流れで、
柵の中は「不完全な森」状態ですよね?
ど~なるのでしょ?!

投稿: ごん | 2010年3月19日 (金) 23時49分

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