コナラの冬芽
コナラの冬芽が早春の柔らかな日差しの中に力強く屹立している。
細長い5角形の鎧を幾重にもまとい、新芽がはぜるタイミングを今か今かと待ちわびているようだ。
この鎧は“芽鱗(がりん)”と呼ばれる器官で、生物学上は葉が変形した器官であるとされている。
芽鱗は新葉の展開が始まると剥がれるように落ちて、僅かな痕跡だけを残すのだが、柔らかな新葉を冬の厳しさから護るために必要な器官なのだ。
温帯や冷帯の樹木では一般的な芽鱗も、温かい地域での植物では稀で、芽鱗に包まれない新芽は“裸芽(らが)”と呼ばれる。
樹種によって様々な顔を見せる冬芽や芽鱗を楽しむことができるシーズンもそろそろ終盤だ。
20100327 コナラの芽鱗(ヒロイド原)
RICOH GR DIGITALⅡ
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