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2010年4月25日 (日)

ヤナギの花

20100425yanagi

河川沿いに展開する森林を“河畔林”と呼ぶが、ヤナギやハンノキの仲間は河畔林を代表するグループである。

写真のヤナギは、今のところ種の同定まではできていないが、村内小田川地区の川沿いの一画を薄黄金色に輝かせていた。

ヤナギの仲間は、一般に、旺盛な発芽能力を持つものが多く、河川敷に生えていた立木が、大雨の際などに根こそぎ倒れ、そのまま川下に流されたものが土砂などで埋まると、埋もれた幹や枝から一斉に発芽して群落をつくることも珍しくない。
むしろ、種子からの芽生えだけではなく、河川に流されることを積極的に利用するための生理機能を持っていると考えても良さそうだ。

また、ヤナギの枝葉には、解熱鎮痛作用をもつサリチル酸が多く含まれており、西洋では、この成分を精製してアスピリンがつくられたほどである。
わが国でも、おそらくは中国から学んだ知恵なのであろうが、虫歯予防や歯痛緩和のためのデンタルケア用具としてヤナギが用いられた歴史がある。
そう、読んで字のごとく、誰もが知っている“楊枝”である。
現在では、楊枝は、果物や羊羹などをさして口に運ぶことに多く用いられるが、もともとは歯ブラシとして用いられていた。
楊枝の先をブラシ状にほぐして歯を磨く用具だったのである。

野生動物の多くは、皮膚病や寄生虫などと並んで、虫歯で命を落とすことが多いのだというから、古い時代の人間達もデンタルケアに勤しんだことだろう。

このような有用植物は、かつては人々が積極的に利用したために、地域の希少種となっていたケースが多いのだが、近年では、利用に今日されることも少なくなり、普通に見かけるようになってきたものも少なくない。

無計画・無秩序な利用は慎まなくてはならないが、身近な有用植物に再度目を向け、計画的な利用を進めることも森林(やま)づくりに必要な知恵なのではないだろうか。

20100417 ヤナギの花(小田川地区)
NIKON D90 70-300

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