ノスリ
先日紹介したサシバと同じ日に、もう一種の猛禽に出遭った。
ノスリである。
ノスリはカラスよりも一回りか二回りほど大きく、翼の先端部と中央付近(翼角)が黒褐色に色づいているので、比較的同定がしやすい。
ネズミやモグラ、それにカタツムリや昆虫類などを主な食料としている。
漢字では“鵟”と書くが、音と文字は対応していないようで、“ノスリ”は“野擦り”の意味であるらしい。
餌となるネズミやモグラを捕らえる際に、樹上などでじっと獲物を待ち伏せ、ひとたび獲物を見つけると急降下、そして地表すれすれに超低空飛行をして獲物に襲いかかるという独特の行動を古人は“野を擦る”と表現したようである。
また、ノスリは“糞鳶(くそとび)”とか“馬糞鷹(まぐそだか)”という不名誉な別名ももっている。
比較的人里に近いところで見られる猛禽であることから、他の猛禽が持つような神秘性が薄れ、このような別名で呼ばれたのかもしれないが、定かではない。
しかし、人里に近いところに棲息するということは、とりもなおさず開発の波に圧されるということでもあり、個体数は、全国的に減少傾向にあるようだ。
川場村は、幾種類もの猛禽が棲息する環境を保持してきた村である。
この環境を次世代にまで継ぐのは、現在に生きる私たちの責任であるように思う。
20100401 ノスリ(ヒロイド原)
NIKON D300 70-300(トリミング)
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