ヤスデの仲間
学外オリエンテーションで川場村を訪れた大学生達と森林内の散策に出かけた。
何名かの女子学生がしゃがみ込んで何かをじっと見つめている。
何を見つけたのかと思って近づくと、一匹のヤスデを見ながら「ムカデだよ」「いやいやヤスデだよ」と楽しそうだ。
なんという種なのかは判別できないが、ヤスデの仲間に間違いない。
長い躰には20近い体節があり、その一つ一つから2対の脚がでている。
一つの節に2対の脚を持つことから“倍脚類”として分類されることもある。
ムカデならば、一節に1対だ。
ヤスデは、木々が地面に落とした枝葉を土に還す役割を持っている。
正確には、落葉を腐らせる働きをする“真菌類”という菌と落葉とを食べ、糞として排出することで土をつくっている。
こうした食性を“腐植食”という。
これに対してムカデの仲間は肉食で、とくにムカデの仲間は毒をもっており、噛まれると跳び上がるほど痛い思いをする。
ヤスデはムカデとは違って、人を噛むようなことはないが、身の危険を察知すると体側から臭い匂いを発する。
学生達に、ヤスデも森林(やま)をつくる重要な仕事をしてくれているのだということや、ムカデとの見分け方を伝えると、大きく頷きながら聞いてくれた。
その姿形から気味悪がられたり、嫌われたりすることも多いヤスデだが、彼らもまた森林(やま)づくりの仲間なのである。
20100408 ヤスデの一種(友好の森)
NIKON D300 105MICRO
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コメント
yuriさん!
こんにちは!
お調べになったならご存じでしょうが、“ゲジゲジ”は正式和名を“ゲジ”といいます。
虫を食べて生きている虫ですね。
彼らからしたら、人間はなんてへんちくりんな生き物だ、ってところでしょうね!
脚は足りないし。
投稿: くま | 2010年4月13日 (火) 12時34分
くまさん、こんにちは。
ヤスデとムカデのお話し、とても興味深く読ませていただきました。ヤスデもちゃんと森を守る役割を持っていたのですね。去年の夏、“わけあって”ゲジゲジを観る機会が何回かあり、その際、ゲジゲジについて調べてみました。以外にも、人間に害を与えることはなく、害虫などを食べてくれる「益虫?」とのことでした。もし本当なら、見かけで「虫」を判断してはいけないですね。そもそも、ヤスデやゲジゲジは自分たちが「見かけが悪い」なんて思ってないんでしょうけど・・・。
投稿: yuri | 2010年4月12日 (月) 20時48分