深山鶯神楽
ミヤマウグイスカグラはスイカズラ科の落葉低木。
北海道から九州に至る、全国の里山で見られた我が国固有の樹木だが、最近では自生域を狭めている。
樹高は大きくなってもせいぜい4m程で、多くは人の背丈ほどに留まるようだ。
近縁種に“ウグイスカグラ”、“ヤマウグイスカグラ”があり、この3種は葉の形といい、花の様子といい殆ど見分けがつかないほどそっくりなのだ。
どこで見分けるのかというと、枝葉や花弁の毛に注目する。
“ウグイスカグラ”は無毛。
“ヤマウグイスカグラ”は細かい毛が密に生える。
そして“ミヤマウグイスカグラ”は、細かい毛が密に生えることは“ヤマウグイスカグラ”と同様なのだが、この毛が“腺毛”といって、毛先が丸い玉状になっているのだ。
左の写真は、上の写真の花の基部を拡大したもの。
無理矢理拡大したので画像は悪いが、腺毛になっているのが見えるだろう。
花自体の大きさが、2~3cmほどの小さなものなので、この腺毛がいかに細かいものなのかお分かりいただけることと思う。
小さな棍棒が全体にびっしりと生えているようなものだ。
昔の人々は、よくぞこの細かいところに気が付き、別種として同定したものだ。
ミヤマウグイスカグラの花ももう散る頃だ。
この花が終わると初夏の香りが漂い出す。
20100509 ミヤマウグイスカグラ(小田川地区)
NIKON D300 105MICRO
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