« ゐのしし | トップページ | 深山鶯神楽 »

2010年5月30日 (日)

不可解な受粉戦略

20100530akebi2

先日は、近年種の“ミツバアケビ”を紹介したが、こちらは本家“アケビ”である。

蔓を細工物の材料としたり、実は秋の味覚として愉しまれるなど、日本人にとって馴染みの深い植物なのだが、雄花に形成される花粉をどのようにして雌花の柱頭に運ぶかという、植物の繁殖作戦(受粉生態)が未だに解明されていないという不思議な植物である。

虫が花粉を運ぶ“虫媒花”であることは確かなのだが、この花は蜜を出さないのだ。
雄花の蜜は、蜜を目当てにやってきた昆虫に花粉を付着させるための“餌”であるし、雌花の蜜は花粉にまみれた虫が、これまた蜜目当てに翔んできて花に潜り込む時に花粉を雌しべに付けさせる為の“餌”なのである。

それなのに蜜を出さない。
いかにも美味しい蜜がありそうなふうを装って、虫を騙しているのだろうか。
蜜の生産にもかなりのエネルギーを使うようなので、もしこれで上手くいっているとしたら、ちょっとばかりズルい省エネ戦略と云えるかもしれない。

20100530akebi1もっとも、雌しべの柱頭には甘みのある粘液が分泌されているそうなので、その甘さで虫を呼んでいるとも考えられるのだが、まず、雄花から花粉を渡されていなければ無駄になってしまうのだから、雄花か雌花かどちらかだけが蜜を出すのだとしたら、雄花が出す方が効き目がありそうなものだ。

今は紫色の柱頭が、受粉してしばらくすると緑色に変わり、次第に大きく育ち、それがまた色づいて、お馴染みのアケビの実となる。

20100516 アケビの花(ヒロイド原)
上:NIKON D90 70-300
下:RICOH GR DIGITALⅡ

|

« ゐのしし | トップページ | 深山鶯神楽 »

川場の花図鑑2010」カテゴリの記事

コメント

こにタンさん!
こんばんは!

ほんとうに面白いものですよね!
雄花は花粉を生産しているので、花粉食の虫を集めていると考えられているようですが、もしそれで充分なら、多の植物が多くのエネルギーを割いて蜜をつくり出さなければならないことが不思議に思えてきますよね。
ただ、同僚の植物の専門家によれば「あいつら(←植物のこと)、いい加減なんだよな」だそうです。
あまり理詰めで考えない方がよいのかもしれません!

投稿: くま | 2010年5月31日 (月) 00時11分

へぇ~ 面白いんですね。アケビって。
餌を提供しないで虫を集める術って何なのでしょうね?
雄花は美味しい蜜を出す花に擬態しているのでしょうか?
それぞれ知恵を絞っている植物の繁殖戦略は面白いですね

投稿: こにタン | 2010年5月30日 (日) 23時16分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 不可解な受粉戦略:

« ゐのしし | トップページ | 深山鶯神楽 »