気がかりなこと
5月16日。
後山の山腹から生品(なましな)地区を見下ろすと、静かな景色がひろがっていた。
5月8日頃から始まった田植えもまだあまり進んでいない。
全体の4分の1ほどだろうか。
今年は春の訪れが遅く、この時期になっても田の水がなかなか温まない。
「本当は20日くらいまでは待ちたいんだよな。でも、リンゴの花摘みもあるし。」
農家の方も心配顔だった。
初期成長が悪い苗は、その後も種々心配を抱えることとなる。
いもち病にやられはしないか。
ちゃんと美味しいお米を実らせてくれるだろうか。
木々の新緑と早苗とリンゴの花。
「今が一番綺麗な季節かもしれないね。」
と話しかけると、すっかり顔なじみの農家の方が少しだけ顔を曇らせて、
「他所から来た人はそういうけどさ、リンゴの花を見ると頭が痛くなるよ。」
と、それでも笑いながら答えてくれた。
今年の少し異常な天候のせいか、森林(やま)にも、野にも、虫が少ない。
虫が少なければ、木の実や実もの野菜や果樹がきちんと実るかどうかも心配になる。
森林(やま)の木々に実りが少なければ、動物たちが里に下りてきてしまうかもしれない。
それでも、農家がしなくてはならないことは山積みだ。
心が洗われるような景色に包まれながらも、気がかりなことが沢山だ。
20100516 生品地区の田んぼの風景
NIKON D90 70-300
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コメント
ようじさん!
こんにちは!
かつて、6月中旬に田植えをしていたのは、現在よりも冬が厳しく長かったからでしょうか?
それとも、品種改良その他によって田植えの時期を早めることができたのでしょうか?
コンニャクの方はいかがですか?
投稿: くま | 2010年5月23日 (日) 14時40分
こんにちは。
ご無沙汰しております。
本当に今年は田植えが遅いですね。
うちは自家用ですので8日に何も考えずに植えましたが。(^^;
祖父が生きている頃、田植えは6月中旬頃だった。今は植えるのが早いなんて言っていました。それから比べればまだまだ早いですよね。
ここ数日熱い日が続きましたが、今年は寒い。(><)
投稿: ようじ | 2010年5月23日 (日) 11時45分