もちつもたれつ
キク科の花に取り付いて花粉をむさぼっているのは“コアオハナムグリ”。
花粉を食べにやってくるのに、躰は花粉が付きにくくなっていて、花粉媒介者(ポリネーター)としての役割はあまり果たさないちゃっかりものだ。
拙著では紹介したのだが、このハナムグリは、幼虫から成虫になるのに1年をかける個体と、2年をかける個体がいることが分かっている。
幼虫から蛹を経て成虫になったときに、気候が不順だったりして花が無い場合、一斉に孵化していたら地域的な全滅の危険性すらあるわけだが、こうした工夫が備わっているおかげでそれを回避することができるのである。
種としての保険をかけているようなものなのだ。
幼虫は、落ち葉などが土に還りかけているような“腐植”を食べて土をつくってくれている。
花にとってはちゃっかりものだが、土をつくることでお返しをしているようなものだ。
自然は本当に良くできているものだと思う。
20100606 コアオハナムグリ(ヒロイド原)
NIKON D300 105MICRO
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コメント
シルクさん!
こんにちは!
ギスギスするの嫌ですね!
森林(やま)で焚き火を見つめていると、何でもかんでも許せちゃう、何でもかんでも「まあいいや」って思えちゃうんです。
私達は、こうした状態を“焚き火あたま”とよんでいます!
そう言えば、最近焚き火してないなあ…
投稿: くま | 2010年6月24日 (木) 11時21分
昨今の人間界はギスギスした関係が多くて「もちつもたれつ」の精神は望郷の彼方へ行ってしまいましたね。自然を見習いたいものです。
投稿: シルク | 2010年6月24日 (木) 09時20分