金襴草
シソ科のキランソウ。
先日紹介したジュウニヒトエと近い種で、両種ともにキランソウ属に分類されている。
外国産の近縁種は、“セイヨウキランソウ”や学名の一部をとって“アジュガ”等の商品名で園芸品種としても出回っている。
キランソウは、漢字では“金襴草”と表記されることが多い。
“金襴”とは金の平箔や金糸で紋様を織りだした布地のことで、地を這うようにひろがる本種をこの布に見たてた名であるといわれている。
また、このキランソウには、薬効も認められていて、“筋骨草”という生薬名も与えられている。
開花期の全草に、高血圧・鎮咳・去痰・解熱・健胃・下痢止めなどの効果がある。
この薬効から、地獄の窯(=入口)に蓋をして死者を出さないという意味の“地獄の釜の蓋”という別名で呼ばれることもある。
ジュウニヒトエの花茎が地際から立ち上がるのに対して、本種は這うように花や葉を展開するという違いがあるが、一つ一つの花を見ると、なるほど同属に分類されだけあってとてもよく似た形状をしている。
両者は雑種をつくることもあり、この雑種は“ジュウニキランソウ”という名を与えられている。
川場村では、雪解け直後から初夏までの比較的長い間、花を咲かせているが、地を這う形状からか存在に気づかない人も多い。
20100516 キランソウの花(後山)
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