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2010年6月18日 (金)

カワバクロドリ

20100618karasu

小学生くらいの子ども達と森林(やま)を楽しむときに気を付けていることがある。

動物でも植物でも、すぐには名前(種名)を教えないようにしているのだ。
名前を知ると、それだけで満足してしまう子どもが多いからだ。

「あの鳥、なんていう鳥?」
と聞かれても、どの鳥を指しているのか分からないふりをすることもある。

「えっ?どこどこ?どんな鳥?」
と質問をする。
「羽がきれいでね、おっきい鳥」
などと答えが返ってきても「それじゃあ分かんないよ」
と、まだ意地悪をする。
「えーっ!あそこにいるじゃん!」
「えーっ?分からないよ」

そうこうしているうちに、子ども達はいろいろと観察を始めてくれる。

羽にはどんな模様が付いていて、どれくらいの大きさで、群れているとかいないとか。
東京でも見たことがあるとか、生まれてはじめて見た鳥だとか。

その辺りまで来てようやく名前を告げるようにしている。

これが、子どもが知っている生き物だと、言葉にも出してくれないから難しい。

梢で「カアーッ」などと鳴いているカラスなどを見つけると、わざわざ「あれなんていう鳥?」と質問をしてみる。
たいがい「カラスだよ!」などと分かったような口を利く。
「うっそー、ちがうんじゃない?」
と、たたみ掛けても、「あんな黒い鳥は他にはいないよ!」「カアーッって鳴いてたじゃん!」と自信たっぷりだ。
でも、「カラスならカアーッって鳴くけど、あの鳥はアーッって鳴いてただろ、それにカラスよりももっと黒いんじゃない?」
などと真顔でいうと、ちょっと自信が無くなってくる。

「あれはね、川場村にしかいない鳥で“カワバクロドリ”っていうんだぜ」
「カラスはカアーッ、カワバクロドリはアーッ、よく聴くと鳴き声がちがうでしょ」
川場のくまさんは嘘つきなのだ。

子ども達の“知ってるつもり”を許してしまうと、観察力も思考も停止する。
単に、名前だけを知っていてもそれだけのことだ。
名前など知らなくとも、自分自身の目でじっくり観察をするほうが、よほど大切なことだし、楽しいことなのである。

20100525 ハシブトガラス(後山)
自動撮影装置

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コメント

ふじさん!

おはようございます!
ぜひぜひ!
そのかわり…
“うそつきふじさん”になっちゃいますよ!

投稿: くま | 2010年6月19日 (土) 11時07分

くまさん
こんど世田谷公園で幼稚園の野外活動をするとき、
園児諸君にセタガヤクロドリを発見させてあげようとおもいます。

投稿: ふじさん | 2010年6月19日 (土) 10時32分

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