ネジバナ
長くのびた花茎に小さな花を螺旋階段のようにつけるのは、ラン科の多年草の“ネジバナ”だ。
一つ一つの小さな花は、よく見ると5弁が鮮やかなピンク色、唇弁はフリルの付いた純白。
近づいてじっくりと観察をすると、なるほどランの仲間であることが分かる。
根は菌根で、植物の遺体、つまり枯れ葉などを分解する担子菌を菌根菌として共生している。
ランの仲間には、このように菌根菌との共生が成り立って初めて生育が可能なものが多いのである。
人間の目には見えないが、菌類も森林(やま)を育てる仲間なのだ。
「生物多様性」という概念はとても大切なものなのだが、どうしても、目に見えるレベルで議論されがちである。
目に見えない微細な生物や、病原菌のような人間にとっては迷惑な生物も地球上の生物環境をかたちづくる一員なのだから、「生物多様性」の大切さを主張する際には、こうしたミクロの世界にも思いを及ばすことが重要なのだ。
20100711 ネジバナ(後山)
NIKON D300 105MICRO
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