蜘蛛の巣
不当に忌み嫌われることが多いのがクモである。
まったくもって不当である。
クモがいなかったら、と想像するのも怖ろしい。
農業も壊滅的な被害を受けることになるだろうし、森林もその姿を保つことはできない。
それくらい多くの虫を補食している。
上は“コガネグモ”。
大型のクモで、とても美しい配色をしている。
下は、その名も“ウズグモ”。
見てのとおり、渦巻き状の模様を巣に描くことが特徴である。
コガネグモが足場にしている、巣に描かれた“X(エックス)”マークも、ウズグモの巣に見られる渦巻きも“隠れ帯(かくれおび)”と名付けられている。
“隠れ帯”は、クモの代表的な捕食者である小鳥を脅かすための模様だとか、クモの餌となる昆虫からクモ自身の姿を隠す為のもの(ここから名付けられた)だとか、餌となる虫が花だと思って近づいてくる機能をもっているとか、様々に推測されている。
人間の目で見ると、今ひとつ説得力に欠けるようにも思われるのだが、多くの昆虫は紫外光で物を見ており、この隠れ帯は、紫外光で見るととてもよく目立つものなのだそうだ。
機能はともかくも、これだけの造形をクモがやってのけるということが面白いし、不思議でならない。
クモたちもまた、森林(やま)づくりの仲間なのである。
上:20100703 コガネグモ(中野地区)
下:20100703 ウズグモ(中野地区)
NIKON D300 105MICRO
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