やあ!
田の畦を歩いているときに、みょうに左腕がこそばゆい感じがした。
何とはなしに腕を見て吹き出してしまった。
一匹のヒメクロオトシブミが右手をあげて「やあ!」と挨拶をしてくれているではないか。
それも、ちょっと照れながら。
なぜか、そんなふうに見えて頬がゆるんでしまった。
この出遭いは6月6日のことだったから、彼女たちが盛んに“落とし文”(揺籃)を巻いているシーズンなので、季節的には不思議はないのだが、田の畦で出遭ったことがとても意外だった。
ヒメクロオトシブミは、ブナ科やバラ科、カバノキ科など、比較的多様な樹木の葉を幼虫の食草に選んで揺籃をつくるのであるが、何れにしても、田んぼで出遭う昆虫ではない。
このときは、飛翔移動中に何かの都合でひと休みしたのが私の腕だったのだろう。
それにしても、左腕に彼女を見つけてから、そーっとカメラを取り出してシャッターを切るまでの間、ずっと「やあ!」のポーズのまま。
何かの拍子で前足を上げた時に、ちょうど私と目が合ってしまい、そのまま固まってしまったのかもしれないが、とにもかくにも、心和むひとときであった。
ほぼ一ヶ月に及んでしまった“川欠(川場欠乏症)”も今日でおしまい。
明日は久しぶりの川場村である。
20100606 腕にとまったヒメクロオトシブミ(太郎地区)
GR DIGITALⅡ (トリミング)
| 固定リンク
「虫と一緒に森林づくり2010」カテゴリの記事
- スズメバチの越冬(2010.12.03)
- 美しい光景の中で(2010.10.18)
- 秋の光景(2010.10.07)
- ツリフネソウにマルハナバチ(2010.09.30)
- 患うクマバチ(2010.09.18)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント