カミヤコバンゾウムシ
先日お伝えした、キアゲハが来ていたオカトラノオのすぐ傍で、珍しい昆虫を見つけた。
ゾウムシの仲間で“カミヤコバンゾウムシ”という。
カタカナで書くとどこで切ったらいいかも分からない名前だが、象の鼻のように長い口吻を持つことから“ゾウムシ(象虫)”。
そして、背中側から見ると、体形が小判のようなきれいな楕円形をしていることを付け加えて“コバンゾウムシ(小判象虫)”。
さらに、真相はわからないのだが、神谷さんか上谷さんか、いずれにせよ、おそらくカミヤさんが発見者なのだろう、“カミヤ”の名を冠している。
そういうわけで“カミヤコバンゾウムシ”なのだ。
このコバンゾウムシの仲間は、花にやって来て、ふくらみ始める前の子房(種子を育てる器官)に長い口吻をドリルのように使って穴を空け、卵を産み付けるという特徴をもっている。
やがて孵化した幼虫は、子房の中の種子を食べて生長するが、種子を食べられてしまっても子房は生長を続けるので、コバンゾウムシの幼虫は子房を揺りかごに外敵や風雨から身を護りながら生長を続けることが出来るのである。
コバンゾウムシの仲間は、キボシコバンゾウムシはタニウツギ、チビコバンゾウムシはツリガネニンジンというように種類ごとに寄り付く花が決まっていて、本種はホタルブクロ専門だ。
さてさて、自分でもよく見つけたものだと思うのだが、このカミヤコバンゾウムシ、ともかく小さいのである。
体長は約3mmほどしかない。
当然、上の写真はかなり拡大してあるのだが、同じものをホタルブクロ(ヤマホタルブクロ)の花全体が納まるように引いて撮影したのが下の写真である。
花の付け根の萼片の上にちょこんといるのが見つけられるだろうか。
20100704 カミヤコバンゾウムシ(後山)
NIKON D300 105MICRO
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