ルリボシカミキリ
わが国の昆虫の中でも群を抜く美しさを誇るカミキリムシだと思う。
川場村でもなかなか出遭うことができない昆虫の一つで、“ルリボシカミキリ”という。
その名のとおり瑠璃色の地に黒星が映えるが、ビロードのようなきめの細かい毛で翅が覆われている。
また、体長を優に超す長いヒゲにある黒色の部分は、よく見ると黒い毛の房であることが分かる。
この美しい体色は、個体が死ぬと急速に変色してしまい、生体でないとこの美しさを堪能することはできない。
このカミキリムシは、ブナ科の樹木やシラカンバ、ケヤキ等々の朽ち木に卵を産み付けるのだが、“白色腐朽菌”と呼ばれる菌が腐らせ、土に還ろうとしている木が幼虫の食べ物なのだ。
森林(やま)がその姿を保つためには、土(土壌)がとても重要な役割を果たすのだが、何らかの理由で枯れた樹木を腐朽菌が柔らかくし、さらにそれを本種のような昆虫が食べ、糞として排出する。
そうした仕組みの中で土壌が形成される。
このカミキリムシも、そうした大切な役割を担っているのである。
下の写真は、雄が雌を庇うようにしているところで、カミキリムシを始め、クワガタムシの仲間など、甲虫類によく見られる行動だ。
20100805 ルリボシカミキリ(友好の森)
NIKON D90 70-300
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コメント
ふじさん!ありがとうごさいます!
ふじさんお薦めの一冊はハズレがありませんので安心して手に取ることができます!
読ませて戴きます!
投稿: くま | 2010年8月25日 (水) 21時40分
ご本人が素敵に虫のような顔をされている福岡伸一先生の新刊『ルリボシカミキリの青』
その青の鮮やかさに感動したとき科学が始まった!
という惹句で発売中。
投稿: ふじさん | 2010年8月23日 (月) 11時05分
ピッコロさん
アカスジキンカメムシと双璧をなす美しさだと思っています!
投稿: くま | 2010年8月17日 (火) 13時12分
ホントに美しい色ですね。
そういえばモンベルで、このカミキリのイラスト付きTシャツ出してました。
投稿: ピッコロ | 2010年8月17日 (火) 10時23分