ニホンカモシカの出産
後山のある地点に設置している自動撮影装置(センサーカメラ)には、白と黒のまるでパンダのような個体と、反対にかなり黒味の強い個体の2頭のニホンカモシカが定期的に記録されてきた。
※以前の様子は→こちらから
改めて記録を見直してみると、面白いことが見えてきた。
左上の写真は、今年(2010年)の6月12日の記録だが、なんとなくお腹が大きいような気がしていた。
次に、右上の写真は、7月9日。なんと子連れで写っている。
ニホンカモシカは、前年の秋、10~11月頃に交尾期を迎え、約7ヶ月ほどの妊娠期間を経て、雪がすっかり融け、餌となる植物が葉を繁らせ始める5~6月頃に通常一頭の仔を出産することが知られている。
今回の記録とピッタリと符合するのだ。
左下の写真は、湧き水に腹をつけて涼んでいる子どもに「モーでなさい」とお母さんカモシカが言っている様に見えてしまう。
そして、右下の写真は、再び湧水点を訪れた母子。
近年の個体数の増加に伴って、全国各地でカモシカによる農林産物被害も出始めていることも看過できない現実なのだが、なんといっても、わが国唯一のウシ科の野生動物である。
調査によって生態をつまびらかにし、人間生活との折り合いの付け方を真剣に考える必要がある。
議論の出発点は、川場村の森林(やま)にカモシカが棲むことを喜ぶところに起きたいものである。
カモシカの出産(後山)
自動撮影装置
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コメント
ふうさん!
ありがとうごさいます!
一枚の写真を、ちらっと見ただけで、いろいろな推測が泉のように湧きだすことがあります。そして、記録を丹念に見ていったときに、その推測が正しそうだという手応えを得ることがあります
子どもの頃に、カブトムシを見つけたときと何も変わらない感覚です。
こんな感覚をいつまで持ち続けられるのか、とても不安ですが、もう少しの間、持ち続けられれば嬉しいと思っています。
投稿: くま | 2010年9月 4日 (土) 00時50分
「改めて記録を見直してみると」
「記録とピッタリと符合するのだ」
うわぁ!!!!!
ビビビビビッと稲妻が走った瞬間ですね!
ひとつの命の誕生、これからまた楽しみですね。
投稿: ふう | 2010年9月 3日 (金) 23時02分
ぼるねおさん!
そうそう!自分の目で見たいですよね!
でも、リラックスした姿を見られるのはセンサーカメラならではですね!
投稿: くま | 2010年9月 1日 (水) 18時16分
おぉ!
直接観察したいですね。
コドモが成長して行く様子、
楽しみにしています!
投稿: ぼるねお | 2010年9月 1日 (水) 15時34分