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2010年9月 3日 (金)

クマの棲む森林(やま)

20100903kuma

私たちの活動の拠点である“友好の森”にはツキノワグマが棲んでいる。

ツキノワグマの内蔵や歯の形状を観察すると、肉食動物の特徴をもっているのだが、実際には、植物食に偏った雑食性の哺乳動物である。

木の実や果実などを多く食べるのにも関わらず、内蔵や歯は肉食に向いたものであることから、とてもエネルギー効率の悪い動物であることが分かっている。
そのため、大量に食べなければ、生きていくのに必要な栄養を摂ることができないのだ。

このツキノワグマの生理・生態を逆読みすると、様々な栄養(=生物)が、大量に存在する環境がツキノワグマの棲息を可能にしているということになる。

ツキノワグマは、豊かな自然環境の指標なのだ。

森林(やま)を守るためには、森林を構成する要素を知ることが必要だ。
それは、様々な生物であるし、水や土、空気といった生物以外のものも含まれるし、地域の人々の生活や生産の文化も、森林を構成する要素として捉えるべきなのである。

そうした様々な要素について、それぞれを詳細に調べ、守る手だてを講じることも必要なのだが、いかんせん、それには膨大な手間や経費が必要となる。
そこで有効なのが、指標生物に注目するという手法だ。

川場村の森林(やま)には、多くの人々が訪れる。
心身のリフレッシュのためであったり、林業技術を身につけるためであったり、自然に関する学習のためであったりと、動機や目的は多様であるが、何れにしても、川場の森林(やま)の魅力が人々を惹きつけていることは間違いがない。

クマが棲息しているということは、こうした森林の魅力を減じるものでは決してなく、むしろクマが棲むような森林だからこそ、多くの人々が魅力を感じているのである。

一方で、農林業被害や人身被害など、クマが棲息することによる様々な不安ももちろん存在するし、それらを軽視・看過することは決してできない。

クマが棲む森林(やま)をまもり、同時にクマによる被害も最小限に抑えるための努力を続けていきたい。

20100828 友好の森のツキノワグマ
自動撮影装置

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