厳しい季節を目の前に
シカ達の恋の季節も終わり、いよいよ厳しい季節がやってきた。
この個体は、既に三叉に分かれた立派な角を頂いているので、少なくとも5~6歳にはなるはずだ。ということは、それだけ厳しい冬を乗り切ってきたのだ。
冬を乗り切ることができるだけの体力、賢さ、そして何よりも運があったのだろう。
けれども、だからといって今年の冬を乗り切ることができるかどうかは、神のみぞ知るところである。
辺りが一面の雪に覆われるようになるまでは枯れ葉や、地面に這うようにして冬を越そうとしている僅かな草なども食料になるだろう。
けれど、大地が一端根雪に包まれると、そうした乏しい食料までも口にできなくなる。
そうなると、木の皮などに頼る他はない。
まさに想像を絶する世界だ。
もし、人間が同じような境遇におかれたら、どれほどの期間、命を長らえることができるだろうか。
人間以外の生物について考えるときに、身体のつくりも生理も異なる生物を、人間になぞらえることはあまり意味がない。意味がない以上に、彼らを見誤るもとである。
それは充分に分かっているのだが、冬を迎えようとしている彼らを見るときには、つい擬人化してしまうのだ。
(2010/10/14 太郎地区)
自動撮影装置
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コメント
シルクさん!
こんにちは!
川場村からの返信です!
写真のシカは、一月ほど前のものなのですが、キリッとした表情が、目の前まで近づいた冬を覚悟しているようですよね。
日常的にボーっとしている私などとは大違いで、カッコいいのです!
投稿: くま | 2010年11月13日 (土) 09時19分
来るべき厳しい冬に挑むような目。凛とした清々しささえ感じます。
投稿: シルク | 2010年11月12日 (金) 10時50分