季節外れの華やぎ
先月の半ばに、村内の萩室地区を散策していると、一畳ほどのスペースが、そこだけ華やいでいた。
稲刈りが済んだ田んぼは、水田特有の黒い土の色と枯れ草の色に染まりつつあったし、僅かに残る草の緑も、夏のそれとは違うくすんだ色を見せていた。
そんな光景の中に鮮やかな色彩が目を惹いていたのだった。
近づいてみると、ヒメオドリコソウが群落を形成しており、花を咲かせていた。
普通、ヒメオドリコソウの開花は雪解けの後なのである。
一株や二株が季節外れの花を咲かせることは、特段珍しいことではない。
“あだ花”などと呼ばれ、その不思議さや美しさを日本人は楽しんできた。
けれど、これだけまとまって花を着けているのは珍しい。
なにか特別な条件でも揃っているのかと思って辺りを見まわしたが、開花の理由は見つけられなかった。
確かに、温暖な気候の元では、長い開花時期をもつ植物ではあるのだが、不思議な光景だった。
(2010/11/14 萩室地区)
NIKON D90 105MICRO
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