冬来たりなば
3月の9~10日にかけて川場村を訪ねた。
そして、翌11日。
マグニチュード9.0という未曾有の大地震が発生した。
国が“東北地方太平洋沖地震”と名付けたこの地震は日本という国を変えようとしている。
この地震が発生して以来、じつに様々なことを考えた。
このような、言わば“急性激発型”の危機に直面し、直接に被災された方々の現在のことや、これからのことを自分に重ねてみたり、何かできることはないかと思案をめぐらせたり。
地方軽視・農林業切り捨ての政策姿勢がもたらしてきた様々な問題は、地震発生以前から進行してきたのだが、この“慢性静寂型”ともいえる危機に喘いできた地方住民に、今回の震災が与えた影響は十重二十重の苦しみを与えている。
それでも、報道番組を見る限り、被災者が連絡が取れない家族に対して送っているメッセージの中に、自分たちが元気であるから心配しないようにという言葉が少なからずある。
痛ましい声でもある一方で、彼らの心根の強さも感じ一縷の望みをそこに託したいという思いにも駆られている。
森林(やま)づくりは、余裕のある者がおこなう趣味的な行為では決してない。
我々の生活を根底から支える森林を守り育てる行為であると考えてきた。
だからこそ、森林(やま)づくりに関わる者として出来ること、為すべきことを考え続けたいと思っている。
自分に出来ることは、きっとそれだけなのだから。
冬来たりなば、春遠からじ。
必ず春はやってくる。
(2011/3/10 生品地区)
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コメント
ようじさん!
ご無沙汰でした!
拙い一冊ですが、ご笑覧いただければ幸いです!
震災、そして原発事故。
本当に大変な状況に追い込まれていますが、再出発に向けて頑張りましょうね!
投稿: くま | 2011年3月31日 (木) 13時34分
こんばんは。大変ご無沙汰しております。
先日は本を頂きありがとうございました。
被災地への支援、今後の事業の方向性の打診など、相変わらず忙しい日々を過ごしております。
まずは原発が早く落ち着く事を毎日願っております。
投稿: ようじ | 2011年3月31日 (木) 00時38分
こにタンさん。
自分の出来る限りのこと、きっと、本分を真摯に全うするということなのでしょうね。
私も、精一杯努めたいと思います。
川場分場にご転勤とのこと、近くなりますね。
どうぞよろしくお願いいたします。
投稿: くま | 2011年3月28日 (月) 00時13分
想像を絶する大震災・・・
これから、どうなるのだろうという不安もありますが、
地震や津波の直接の被害を受けなかった者としては
自分のできる限りのことはしたいです。
自然の恵みを生かす「森林(やま)づくり」の技術や考え方は、
災害時にも力を発揮するものと思います。
私ごとですが、4月から川場村天神に転勤になります。
よろしくお願いします。
投稿: こにタン | 2011年3月27日 (日) 19時53分