あいかわらず川場行きが実行に移せずにいる。
ともかくデスクワークが苦手で仕方ないので、森林(やま)を徘徊しないことには心身のバランスを保つことができない。
悲鳴を上げはじめた心と身体を労るためにも一刻も早く森林(やま)に向かわなければいけない。
さてさて、閑話休題。
ツキノワグマの“熊”名の由来を知りたいと思いながらいろいろと調べてきたのだが、いっこうに分からなかった。
このブログで紹介するために、キツネ・タヌキ・イノシシ・カモシカなどの名の由来を調べてきたが、何れも比較的簡単に辿り着くことができた。
それなのに、熊の名の由来はネット上にも見あたらないし、書籍からも見つけることができずにいたのだが、ようやく探し出すことができた。
加納喜光著『動物の漢字語源辞典』(東京堂出版)という書籍の中に熊に関する記載を見つけたのだ。
以下、同書よりかいつまんで紹介しよう。
“熊”の文字は、見たままに“能”と“火”が組み合わされてできている。
“能”の下に位置する四つの点は、“連火(れんが)”という部首名が付けられているとおり“火”を表すのだ。
“能”は、粘り強い力があるという意味の文字で、ここから“能力”などという言葉も生み出されたという。
クマが食べ物とても強い執着をみせることなどを考えると、とても説得力があるではないか。
さらに、“連火”が合わせられることによって、火のように勢いがあり、強い様を表すのだという。
つまり、“熊”は、粘り強くそして火のような勢いがある動物であるというわけである。
また、同書では、“くま”という音(読み)については、“隈(くま)”が語源となっているとも説明している。
“目に隈(くま)ができる”といえば、目の下が窪んで見える様を指すし、“隈”は云うまでもなく、“すみ”とも読む字であるが、こちらは“すみっこ”の“隈(すみ)”である。
クマが穴に入って冬眠することから、「奥まったところに棲む動物」という意味で、この音が与えられたのだという。
これもまた納得である。
当たり前といえば当たり前のことではあるが、それぞれの名には、それぞれの由来があって興味が尽きない。
由来を知ることで、人と森林の繋がりが少し見えてくる。
少しずつでも繋がりが見えてくると、森林(やま)づくりが愉しくなる。
森林(やま)に出かけられないときには、こんなインドア森林(やま)づくりも良いものである。
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