カテゴリー「川場の花図鑑2011」の5件の記事

2011年5月 1日 (日)

カキドオシ

20110430kakidoosi

全国どこででも遭うことができる春の花。
シソ科の多年草の“カキドオシ”である。

縁にギザギザ(鋸歯)をつけた丸い葉が特徴的だ。

カキドオシの名は、垣根をくぐって隣家まで侵入するほど成長力が強いことから付けられている。
写真の状態では、そうした様子は想像しにくいが、花期が過ぎる頃から茎が上方に伸び始め、さらに成長するとその茎が倒れて蔓状に延びてゆくのだ。
その蔓に沿って着く葉の様子を、古銭が連なる様に見たてて“連銭草(れんせんそう)”という別名ももっている。

カキドオシには薬効成分も認められていて、糖尿病や各種の結石、虚弱体質や水虫などに効くとされている。
先述の“連銭草”がそのまま生薬名にもされている。
また、子どもの疳の虫にも効果があると伝えられていて、“疳取草(かんとりそう)”とも呼ばれてきた。

川場村でも至るところでお目にかかることができる。
そのためか、珍しくもないこの花には人々の目が向かず、存在を知らない人も少なくないようである。

スギやヒノキの植林の適期がいつの間にか過ぎたようだ。

(2011/4/17 後山)

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2011年4月22日 (金)

バッコヤナギの花

20110421bakkoyanagi2_2ヒロイド原に足を延ばすと、バッコヤナギが薄緑色のけぶをまとっているように見えた。

この光景が大好きだ。

けぶるように見えたのは、バッコヤナギの花。
正確には“花序”と呼ばれる花の集合体である。
花弁はもたず、蕊(しべ)だけの花が集まっている。上の写真は雄花、下の写真は雌花であるが、 ヤナギの仲間は“雌雄異株”。女木と男木がそれぞれに独立している。

20110421bakkoyanagi1_2このブログでバッコヤナギを紹介するのは3年ぶりのことだが、毎年ほぼ同じ時期にやわらかな光景を楽しませてもらっている。
※その時の雄花は→こちら、雌花は→こちら

話は前後するが、“花序”を形成する植物は花粉を風に運ばせる“風媒花”が多いのだが、ヤナギの仲間は虫に花粉を運ばせる“虫媒花”なのである。

花弁(花びら)が美しい植物は、虫を呼び寄せるために花弁をつくり、花粉媒介の効率を高めていると考えられているのだが、同じ虫媒花であるのに、このような花序を形成するのはなぜなのだろうか。

雲ひとつない青空にバッコヤナギの花が映えていた。

(2011/4/16 中野地区友好の森)

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2011年4月19日 (火)

立坪菫

20110419tatitubosumire

今年は本格的な春の訪れが遅いとはいえ、そこかしこで春が始まっている。

写真のタチツボスミレは、川場村で何種類も見られるスミレのうちでも、最もポピュラーであり、最も早くから花を咲かせてくれるスミレである。

この“タチツボスミレ”という名だが、少しだけ複雑な由来がある。

そもそもは“ツボスミレ(坪菫)”が名付けのベースとなっているのだが、この“ツボスミレ”の“ツボ(坪)”とは、庭の意味で、庭先に咲くスミレという意味で名付けられている。
その“ツボスミレ”に似て、茎葉が地際から立ち上がるように伸びることから本種“タチツボスミレ(立坪菫)”の名が付いたのだという。

ちなみに、“ツボスミレ”という和名は、近年はあまり用いられなくなっており、“ニョイスミレ”といわれることが多くなった。
“ニョイスミレ”は“如意菫”で、この植物の葉の形が仏具の“如意”に似ていることが由来になっている。

以前、スミレの語源は大工道具の“墨入れ(墨壺)”であることを紹介したが、植物の名の由来というのは面白いものである。

生物名はカタカナ表記をするというのが生物学上の約束なのであるが、名を漢字で表し、その意味を知ることで、植物がより身近なものになってくる。

(2011/4/16 後山)

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2011年4月17日 (日)

春の妖精

20110417katakuri

昨年、2010年は、例年と較べると2週間ほども春の訪れが早かった。
そのためか、今年は春が遅いと感じていたのだが、カタクリの開花はほぼ昨年並み。
一昨年とも、ほぼ同じ時期である。

けれど、昨年と較べると、川場村の春はやはり遅いようで、クロモジやアブラチャン、ダンコウバイなどのクスノキ科の樹木やヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリ、タネツケバナなどを除くと、花を楽しませてくれる植物はまだまだ少ない。

例年ならば、カタクリと同時期に花を見せてくれるエンレイソウやニリンソウなども姿すら見せていない。

他の植物は、開花の時期に年変動が見られるのに、どうしてカタクリは同じ時期に開花するのか、とても不思議なことである。

一昨年の春に初めて見つけた村内の群生地。
少しずつ株を増やしながら、変わらずに可憐な姿を楽しませてくれている。
来年もまた出逢いたいものである。

(2011/04/16)

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2011年4月 6日 (水)

清明

20110405katakuri

今日は二十四節気のひとつ“清明(せいめい)”である。
生まれたてのものは、未だ世俗の垢で汚れずに清らかで明るい。
暦の上では、そうした清く明るいものたちが次々に誕生をはじめる季節に入ったのだ。

写真は、深い地中から地上に出たカタクリの葉と蕾。
花が咲かないとピンとこないかもしれないが、独特の斑模様の葉もカタクリの特徴である。

気温はずいぶんと低く、雪が少ないというのが、この冬の特徴であった。
そのためなのか、例年に較べると1~2週間ほど、春の訪れが遅いようで、カタクリやニリンソウなどの“春の妖精(スプリング・エフェメラル)”達の開花もまだ見ることはできなかった。

それでも、春は着実にやってきている。

(2011/04/03)

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